DevSecOps最新トレンド:日本のソフトウェア開発を安全にする5つの潮流

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Photo by Lin Mei on Unsplash

DevSecOps(デブセックオプス)は、開発(Development)、セキュリティ(Security)、運用(Operations)を統合し、ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してセキュリティを確保するアプローチです。近年、ソフトウェア開発を取り巻く環境は複雑化しており、DevSecOpsの重要性はますます高まっています。本記事では、日本のソフトウェア開発者が知っておくべきDevSecOpsの最新トレンドを5つご紹介します。

サプライチェーンセキュリティの強化

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Photo by Sora Sagano on Unsplash

ソフトウェアサプライチェーン攻撃の増加は、現代のソフトウェア開発における大きな脅威です。攻撃者は、サードパーティのコンポーネントやライブラリの脆弱性を悪用し、最終的なソフトウェア製品に不正なコードを挿入します。

SBOM (Software Bill of Materials) の導入

この問題に対処するため、SBOM(ソフトウェア部品表)の導入が推奨されています。SBOMは、ソフトウェアに含まれるすべてのコンポーネント、ライブラリ、および依存関係のリストを提供します。これにより、脆弱性が存在するコンポーネントを迅速に特定し、対応することが可能になります。

脆弱性管理の自動化

脆弱性管理の自動化も重要です。開発パイプラインに脆弱性スキャンツールを統合することで、早期に脆弱性を検出し、修正することができます。また、CI/CDパイプラインにセキュリティゲートを追加することで、脆弱性のあるコードが本番環境にデプロイされるのを防ぐことができます。

クラウドネイティブセキュリティの進化

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Photo by Su San Lee on Unsplash

Kubernetesやコンテナ技術の普及に伴い、クラウドネイティブアプリケーションのセキュリティを確保するためのアプローチも進化しています。

CNAPP (Cloud Native Application Protection Platform) の導入

CNAPP(Cloud Native Application Protection Platform)は、クラウドネイティブ環境におけるセキュリティ対策を統合的に提供するプラットフォームです。CNAPPは、脆弱性スキャン、構成管理、ランタイム保護などの機能を提供し、クラウドネイティブアプリケーションのセキュリティを強化します。

IaC (Infrastructure as Code) のセキュリティスキャン

IaC(Infrastructure as Code)は、インフラストラクチャをコードとして管理する手法です。IaCのセキュリティスキャンは、インフラストラクチャの構成ミスや脆弱性を検出するために重要です。IaCスキャンツールを使用することで、セキュリティの問題を早期に発見し、修正することができます。

AI/MLを活用したセキュリティ自動化

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Photo by Jezael Melgoza on Unsplash

AI(人工知能)とML(機械学習)は、セキュリティ運用の効率化と精度向上に貢献します。

脆弱性検出の自動化

AI/MLを活用することで、脆弱性検出を自動化し、より多くの脆弱性を効率的に発見することができます。AI/MLモデルは、過去の脆弱性データに基づいてトレーニングされ、新しい脆弱性を予測することができます。

脅威インテリジェンスとインシデント対応

AI/MLは、脅威インテリジェンスの分析やインシデント対応にも活用できます。AI/MLモデルは、大量のセキュリティログデータを分析し、異常なアクティビティを検出し、インシデントの早期発見に貢献します。また、AI/MLは、インシデント対応を自動化し、迅速な対応を可能にします。

DevSecOps成熟度モデルの導入と評価

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Photo by Tianshu Liu on Unsplash

DevSecOpsの成熟度を客観的に評価し、改善点を見つけるためのフレームワークの活用が広がっています。

定期的な評価と改善サイクル

DevSecOps成熟度モデルは、組織のDevSecOpsの実践状況を評価し、改善のためのロードマップを提供します。定期的な評価と改善サイクルを確立することで、継続的なセキュリティレベルの向上を目指すことができます。

組織文化の醸成

DevSecOpsの成熟度を高めるためには、組織文化の変革も重要です。セキュリティを開発プロセスの一部として組み込み、開発者、セキュリティ担当者、運用担当者が協力してセキュリティに取り組む文化を醸成する必要があります。

ローコード/ノーコード環境におけるセキュリティ対策

ローコード/ノーコード開発プラットフォームの利用拡大に伴い、開発者がセキュリティを意識せずに開発を進めてしまうリスクがあります。

セキュリティガイドラインの提供

ローコード/ノーコードプラットフォームの利用者は、セキュリティに関する知識が必ずしも豊富ではありません。プラットフォーム提供者は、セキュリティガイドラインを提供し、開発者が安全なアプリケーションを開発できるように支援する必要があります。

自動セキュリティテストの導入

ローコード/ノーコードプラットフォームには、自動セキュリティテストの機能を導入することが推奨されます。これにより、開発者がセキュリティを意識せずに開発を進めても、自動的にセキュリティチェックが行われ、脆弱性が検出されます。

まとめ

DevSecOpsは、現代のソフトウェア開発において不可欠なアプローチです。サプライチェーンセキュリティの強化、クラウドネイティブセキュリティの進化、AI/MLを活用したセキュリティ自動化、DevSecOps成熟度モデルの導入と評価、ローコード/ノーコード環境におけるセキュリティ対策など、最新のトレンドを理解し、実践することで、より安全なソフトウェア開発を実現することができます。これらのトレンドを参考に、自社のDevSecOps戦略を見直し、継続的なセキュリティレベルの向上を目指しましょう。

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