あなたのIoTデバイスは大丈夫? 2024年、知っておくべきIoTセキュリティの最新トレンド

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IoT(Internet of Things)デバイスは、私たちの生活やビジネスにおいてますます重要な役割を担っています。しかし、その利便性の裏側には、セキュリティという大きな課題が潜んでいます。この記事では、日本の読者に向けて、2024年に注目すべきIoTデバイスセキュリティの最新トレンドを、中立的な視点から解説します。

サプライチェーン攻撃対策の重要性

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Photo by John Cameron on Unsplash

IoTデバイスのセキュリティは、デバイス自体だけでなく、その部品やソフトウェアがどこから来たのか、どのように作られたのかというサプライチェーン全体に目を向ける必要があります。近年、サプライチェーンを狙った攻撃が巧妙化しており、脆弱性のある部品が混入したり、マルウェアが感染した状態でデバイスが出荷されたりするリスクが高まっています。

SBOM(ソフトウェア部品表)の活用

このようなリスクを軽減するために、SBOM(Software Bill of Materials:ソフトウェア部品表)の活用が重要です。SBOMは、ソフトウェアを構成する全ての部品、ライブラリ、依存関係をリスト化したもので、脆弱性の特定や管理に役立ちます。

サプライヤー評価の徹底

サプライヤーのセキュリティ対策を評価し、信頼できるパートナーを選ぶことも不可欠です。定期的な監査やセキュリティ基準への準拠状況の確認などを通じて、サプライチェーン全体のセキュリティレベルを向上させる必要があります。

ゼロトラストアーキテクチャの適用

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従来の境界防御型のセキュリティモデルは、IoT環境では限界があります。なぜなら、IoTデバイスは多様なネットワークに接続され、常に脅威にさらされているからです。そこで、近年注目されているのが、ゼロトラストアーキテクチャです。

ゼロトラストとは、デバイス、ネットワーク、ユーザーの全てを信頼しないという考え方に基づいたセキュリティモデルです。

マイクロセグメンテーション

ネットワークを細かく分割し、アクセスを制限することで、攻撃の影響範囲を最小限に抑えます。

多要素認証

ユーザー認証に複数の要素(パスワード、生体認証、デバイス認証など)を組み合わせることで、不正アクセスを防止します。

継続的な認証評価

デバイスやユーザーの認証状態を継続的に評価し、異常を検知したら即座にアクセスを遮断します。

AI/MLを活用した脅威検知と対応

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Photo by Feo con Ganas on Unsplash

IoTデバイスから収集される大量のデータは、AI(人工知能)やML(機械学習)を活用することで、セキュリティ対策を強化するための貴重な情報源となります。

異常検知

AI/MLは、デバイスの通常時の動作パターンを学習し、異常な挙動や潜在的な脅威を早期に発見することができます。例えば、通常とは異なる時間帯に大量のデータを送信したり、不審な宛先への通信を試みたりするデバイスを特定することができます。

自動的なインシデントレスポンス

AI/MLは、脅威が検知された際に、自動的にインシデントレスポンスを実行することができます。例えば、感染したデバイスをネットワークから隔離したり、関連するログを収集したりすることができます。

ファームウェアの脆弱性スキャン

AI/MLは、ファームウェアの脆弱性を自動的にスキャンし、セキュリティアップデートの必要性を判断することができます。

規制遵守と標準化の進展

Police standing on road
Photo by King's Church International on Unsplash

IoTセキュリティに関する法規制や標準化は、世界中で進んでいます。日本国内でも、改正個人情報保護法など、IoTデバイスのセキュリティに関する規制が強化されています。

国内外のセキュリティ標準への準拠

NIST Cybersecurity Frameworkなどの国際的なセキュリティ標準に準拠することで、セキュリティ対策のレベルを向上させることができます。

認証制度とセキュリティラベルの活用促進

IoTデバイスのセキュリティレベルを評価する認証制度やセキュリティラベルの活用が促進されています。これらの制度やラベルは、消費者が安全なデバイスを選択する際の参考となります。

エッジコンピューティング環境におけるセキュリティ

IoTデバイスに近いエッジ環境でのデータ処理が増加するにつれて、エッジデバイス自体のセキュリティ強化が重要になっています。

エッジデバイスの物理的な保護

エッジデバイスが設置される場所は、必ずしも安全な環境とは限りません。物理的な盗難や改ざんを防ぐための対策が必要です。

データ暗号化

エッジデバイスに保存されるデータや、エッジ-クラウド間で送受信されるデータを暗号化することで、データの機密性を保護します。

安全な通信

エッジデバイスとクラウド間の通信を安全に保つために、VPNやTLSなどの暗号化プロトコルを使用します。

まとめ

IoTデバイスセキュリティは、常に進化し続ける課題です。サプライチェーン攻撃対策、ゼロトラストアーキテクチャの適用、AI/MLを活用した脅威検知と対応、規制遵守と標準化の進展、そしてエッジコンピューティング環境におけるセキュリティなど、様々な側面から対策を講じる必要があります。この記事で紹介したトレンドを参考に、自社のIoTデバイスセキュリティ対策を見直し、より安全なIoT環境を構築しましょう。

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